中古車の不安【中古車屋の話】

雑談

中古車って、いやだ。中古車って、汚い。中古車って、壊れそう。中古車って…総じてこれを「中古車への恐怖」と私は呼んでいますが、当たり前です。

誰が乗っていたのか解らない、どんな運転をされていたのか解らない、どんな場所でどんな保管をされていたのか解らない…中古車は一台一台が謎だらけです。色だって下手したら塗り替えられているし、メーターだって記録が無ければ本当にメーター上の数字か解らない…極端な話、目の前にある中古車で確実に解るのは「メーカーと車種、とりあえずタイヤが4本ついていて動くこと」くらいです。

新車と違い、そのまま転がっている中古車を乗るとすると、当然保証はないので、買った翌日止まったら当然ですが自分で自分のお金を使い修理をします。怖いですね…何が起きるか解りません。

という事からなのか、日本における中古車の立ち位置というのは他国に比べてやや「低い」感じがします。価格の下落率が一部諸外国に比べて多いケースもみられることから、日本には新車が安全安心!という概念が強いように感じます。

そして当然、私もそうでした。誰が触ったか解らないなんて、怖くていやだ、汚そう…これです。

ところが、ある日思ったのは、新車だって出来たてを初めて触って動かすのは私ではないし、メーカーや車種によっては新車なのに色の選択肢が少ない、装備の変更が少ない、同じようなものしか買えない場合がある…そんな事を思ったのです。そんなであれば、出来るだけコストを抑えたい、ここから中古車を買う旅が始まりました。

とはいえ、最初に書いた通り、中古車は個体ごとに謎だらけ、最初から分かることはあんまりないのです。当然、たくさん失敗もしました。

その失敗を活かして少しずつ何かを掴めるように心がけ、今もその感覚を成長させる努力だけは怠らないようにしております。

新車時代のそれを知っている、この車種のこの部分を見ると何かわかる、同じ年式でもこの車種には装備に違いが生まれるケースがあった…少しだけ長く生きると過去を覚えているので、今となってはそれが役に立つようになりました。といっても、あまりに古いクラシックカーや、当時あまり触る事が出来なかった車種では解らない部分もあります。

そういう、自分で解らない部分はその分野のプロである知人友人に協力してもらってより確実性のある「謎解き」が出来るように、と思っています。

なるべく正確な謎解きをして、その個体がきっとお客様の期待に応えるだろう、そういう自信を持てるような売り物をご紹介したい、中古車の怖さを取り除くことが私の仕事だと思っています。

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